西方国境警戒令〜護りしモノ〜

多くは語るまい。
誇り高き獅子の一族、その姿や志は既に過去のモノ。彼らの護ってきたもの、護りたかったもの、それを正しく推し量ることが出来ないのならば、グリモアを失ってただ害なす存在に成り果てた貴殿らに引導を渡すのが務め。
そう考えて俺は剣を振るった。
麒麟の姿に似た獣の魔物の首を斬り落としたときのあの嫌な感触は忘れられないだろう。
重傷になってしまったグリュウやローには申し訳なく。少々負担をかける戦術を提案してしまったかなと思いつつ。
まさか首だけで動こうとは。油断だな。ともかく成功して何より。連れてってくれたウィーに感謝。