円卓

ノスフェラトゥへの対応を決める評決が提示されたが…
もはや、無知は罪なのかもしれない。


<1>住民の暮らしぶりなどの調査を慎重に進める
<2>使節を派遣してノスフェラトゥ側の目的を確認する
<3>アンサラー護衛士団の方針に従って戦いの準備を進める


短絡に脅威=敵=倒すべし、と判断したくはない。
とはいえ、レルヴァ前後から各GGの動向を見てきて、またとくに特務部隊の活動からノスフェラトゥがはっきり敵対存在ということが理解できた。
こういう情勢の把握に関しては、ウィーのまとめや彼から教えられたことによるところが大きい。
自らが同盟諸国冒険者として何を信じ、何のために戦うかの改めて考えられたので、まずはウィーに感謝を。
そして俺は<3>を選択した。
アンサラー、そしてエルドールの護衛士方々の決断に敬意を。
そして彼らだけに任せるにはあまりに過酷。
ミュントス特務部隊が行方不明になったのは退路を断たれたからだ。
このまま<1>の選択で手をこまねいていてはアンサラー、特務部隊、そしてエルドールにまで壊滅の危機が及ぶ。
そんな事態になっては護れるものも護れない。今は悠長なことを言っていられる時期ではないんだ。
今は、未来の安寧のために残った住民は強引にでも避難させ、戦いに備えないと。
でなければ、まず特務部隊に参加した彼らが帰る場所が失われるかもしれない。
ノスフェラトゥの脅威を放置して、無辜の住民達、そして同盟諸国の皆の未来は無い。
住民を無視して戦おうというのではないということも併せて今為すべきことを皆に見極めてもらいたいと切に願う。
また、<2>の選択は、今までの経緯から見て有り得ない。
今更、過去のノスフェラトゥ戦役を知らない俺が何を言っても説得力は無いかもしれないが、どうか賢明な判断を。意見するならば、関連事件を知ってからにするべきだ。
ノスフェラトゥは命を落とした特務部隊の隊員を二人、連れ去った。
死体からも情報を得られるノスフェラトゥ……死人使い。
話し合いの場では化かしあいどころか、ノスフェラトゥの手による殺戮の場になることは想像に難くない。
特務部隊や各GGの無事を。俺はただ願う。
そして、今の俺に出来ることを。
目を開け、耳を澄ませ、過去を知れ、現在を見よ、未来を切り拓け。