ナルニア国物語〜第1章 ライオンと魔女

ナルニアグッズ(一部)

初日を待ちわびて見に行ってきましたv(その割に午後から/爆
かつての庭というかメイン遊び場である新宿へ。
あらすじとしては、
第二次大戦中のイギリスに住む、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4兄弟が、疎開先の教授の家にある衣裳だんすの中から不思議な国ナルニアへと迷い込む。
そこは白い魔女の力により100年の冬に凍えていた。
ナルニアの住人達は王であるアスランの帰還を待ちわびており、彼ら4兄弟こそが、ナルニアの予言にある、ケア・パラベル城の四つの王座の主となるべき運命を担っていた。
……というもの。詳しくは原作をどうぞ。
カラー版 ナルニア国物語 全7巻セット
偶然、近日公開の看板を目にして以来、元来ファンタジーものの大好きな私は原作7巻のうち、3巻までを一気に読破。
何となく久々に字幕で見たくて、一人でふらりと行きました。
同じナルニアファンの友達がいればよかったんだけど、元々一人で行動するのが苦にならない性質なので。


冒頭に4兄弟の生活しているイギリスの空襲の模様が描かれていたのは最小限の時間を割いていたので状況説明としては適度だったと思います。
印象に残ったシーンは、やはりまず幻想的でありながら圧倒的な迫力とリアリティで迫る広大な自然、雪景色。
ものすごく綺麗で、ルーシーがすんなりその世界に入り込んでしまったように、こうして映像化されると見ている私もたちまち引き込まれました。


ルーシーが出会うフォーンのタムナスさんが、ルーシーを家に案内した玄関先で、トトトト、と蹄を足踏みして雪を払い落とす仕草のユーモラスなこと!
何か分かりますよね、実生活でもこんなふうにするでしょ?


続いて迷い込んだエドマンドを手なづけるために白い魔女ジェイディスが魔法で出す暖かい飲み物のグラスやターキッシュ・デライト(ベトベトして凄く甘い、歯にくっつきやすいイギリスの伝統的なお菓子だとか。私が読んだ瀬田貞ニ氏役の岩波書店カラー版では日本人にわかりやすいプリンに置き換えられています)の容器の魅力的なこと。
銀細工で、宝石がはめ込まれていて、まさに魔法のアイテムといった感じ。
魔女が銀の小瓶から一滴、魔法の液体を雪に落とすと、そこから現出するのですが、まだ中味の入っている器を木に投げつけて捨てた瞬間、雪に戻って砕け散るんです。細かい!


細かいといえば、ルーシーが衣裳だんすに隠れるきっかけになる兄弟とのかくれんぼ。
それを誘いかけるルーシーの「プリーズ…」がめちゃ可愛い! 甘い声で首傾げて。
そこで最初しぶっていたピーターが折れるのですが、余計なことは言わず、すぐに数を数え始めるんです。
要するに自分が率先して鬼になったわけで、スーザンもエドマンドも、そうなると遊びに加わって我先に隠れはじめるあたり、すごく微笑ましかった。


さて、4兄弟が揃ってナルニアに来ると、疑っていたピーター達もさすがにルーシーに謝ります。
そこでまたルーシーの可愛さ爆発です。原作には無かったはずなんですが、「最近の子供は、ごっこ遊びに本気になるの」みたいなことを、兄達の言った台詞を引用して皮肉るんですよ。
この小悪魔!可愛いったらもう。


他に印象に残ったシーンは、サンタクロース(日本で描かれる赤い衣裳じゃありません。本来のイメージなのでしょう)からの贈り物を受けるシーン。
このとき、魔女に加担してしまっていたエドマンドはその場にいないのでもらえないわけですが、剣と盾を授かったピーターが長兄らしく戦うシーンはわくわくしました。
白い魔女は、自分の野望を邪魔する4兄弟を亡き物にせんと狼達を追手として差し向けており、それらと対峙するシーンです。


ビーバー夫妻(これもまた仕草とかがユーモラスv)の案内で、ナルニアを作った神にも等しき存在、気高きライオンのアスランに会うシーン。
桃色の花を咲かせる木が花びらで人の形を作ってルーシーに手を振ったり(ドリアードという単語も出てきました)、鎧で武装したフォーンやセントール(ケンタウロス)や様々な動物達が迎える場面、そしてテントからアスランが現れる直前に、セントールを筆頭に軍勢が一斉に礼をする場面、全てがわくわくさせられました。


私が最も感動したのは、その軍の野営地にまで魔女の追手の狼達が来たとき、ピーターが妹達を護るため狼のリーダーであるモーグリムを倒した後に、剣を持って膝まづくピーターにアスランが前脚を肩に「おめでとう。狼殺しのピーター卿」と騎士の位を授けるシーンです。叙勲ですよ!


アスランが、白い魔女のところから救出したエドマンドの裏切りの身代わりに、白い魔女に殺されるシーンは、例え仮初の死なんだと知っていても胸が痛みました。
魔物達に囲まれて縛り上げられ引き倒されて、それだけではなく雄々しい鬣を切られてしまうのですから「そこまで辱めを!」と悔しくて泣きました。


スーザンも、アスラン軍に合流してからは考えるより感じることが大事、と目の前の運命に立ち向かっていくのですが、ドレスで弓を射る姿ってかっこいいですね。
戻ってきたエドマンドは過ちを悔いて兄のピーターを励まし、二人で乗馬訓練。
そのときにエドマンドが乗っていた馬に文句を言うとその馬は「私の名前はフィリップだ」と、主張するのが何とも微笑ましかったです。
ナルニアでは動物も木も喋ります。一個人として尊重すべき相手なのですね。


他にも心震えるシーンはたくさんあって、いよいよ白い魔女アスラン軍との戦闘シーン。
広大な戦場にアスラン軍の大鷲が敵軍の状況を知らせたり、開戦すると大群で石を落として攻撃したり、火矢の炎をまとって敵軍を駆け抜けたり(おお、火の鳥だ!と背後喜び)
白いユニコーンに乗るピーターと、エドマンドの鎧姿も凛々しく、共に先陣を切るセントールの近衛隊長オレイアスがカッコよかった!
二人が自軍を率いて駆け抜けるのを正面からスローモーションで映すのですが、オレイアスが自分の鞍に装備した双剣を抜くところがもう、かっこよくて!
エドマンドは、他の兄弟のように贈り物こそ受けていませんが、魔女の手口を知っているので、兄とは別行動で知恵を使って戦います。


でもって、白い魔女も強かった。それまでは結い上げていた髪をおろして振り乱し、白いたおやかなドレスは邪悪な黒にお色直し。
よく見たら、胸当てと鎖帷子のドレスでした。重そう…
片手に剣、もう片方の手に触れたものを凍らせたり石に変える魔法の杖を持ち、エドマンドに杖を折られると、落ちていた剣を拾って双剣として巧みに使いこなして戦うのです。
最後は復活したアスランに倒される魔女、戦の終わり、怪我をして倒れるエドマンドにルーシーがサンタクロースからもらった、一滴でどんな怪我も治る魔法の薬を使い、4兄弟はケア・パラベルの王座に……


そしてあっという間に月日は過ぎ、英雄王ピーター、優しの君スーザン女王、正義王エドマンド、頼もしの君ルーシー女王による治世。
大人に成長した4兄弟は白シカ狩りの途中、唐突に元の世界に戻ります。姿も子供のまま、元の世界では数秒の間のことだったのでした。
エドマンドが乗っている馬をきちんと「フィリップ」と名を呼んで労わっているのが印象的でした。
あれからずっと、フィリップを愛馬としてるんだ、エドマンド変わったなぁ、とね。


わざわざタイトルに「第1章」とあるから、次回作もあるんでしょうね。期待大です。
映画が終わるとお楽しみはグッズ。こういうのも大好きなのです。
とくにステーショナリーより、作品中のアイテムモチーフのアクセサリーなんかに目が無いものですから、ピーターの剣モチーフのペンダントと、ルーシー女王の冠モチーフのリングを購入。
映画館を出たら、すぐ目の前の伊勢丹で「ナルニア国物語の世界展」なんて開催してたので直行w
入場無料で、映画で使われた小度具や衣裳の展示、関連商品も山のようにあって楽しめました。(すごくいい客w)
そこでもアスランの紋章が蓋に入った銀の懐中時計と、同じくアスランの紋章入りの赤いミニ巾着などを買いました。
サントラを買い損ねたのが悔やまれますが、ナルニアのケータイサイトから申し込んで買うとプレゼントが当たるキャンペーンがあるので、そっちで購入しようと思います。


ファンタジー好きならオススメ!の「ナルニア国物語」です。
原作との多少の違いも気になりませんでした。再度読み返すとまた違う感想が出るかもしれませんが。
今度は日本語吹き替え版も見てみたいと思っています。